スリープロ株式会社代表取締役社長・高野 研さんとの対談集
第12回「経営資源について-もの(1)エージェントシステム(前半)」
佐久間:
スリープロにとって、「もの」ってのは、あまりない感じがしますが、電力会社の発電所や送電施設に当たるものとしては、エージェントシステムと基幹システムでしょうか。エージェントシステムをモノに例えちゃうとエージェントさんからは怒られちゃうかな。
高野:
-
そうですね、電力会社がエネルギーを調達し、発電所を作り、送電システムで送電することと同じですね。上手い表現ですね。当社にとって大切なのはエネル ギー資源であるエージェントの方々です。そして次にオフィス、そしてそれを支えるエージェントシステム(基幹システム)が上手く融合しているんですね、こ れはそう安々と真似が出来ないのかなあなんて我ながら思っています。今で言うビジネスモデル特許に近いと思っています。順番に詳しくご説明します。
佐久間:
では、エージェントシステムですが、ITスキルを持った個人、個人事業者、主婦などがスリープロに登録して、スリープロに来た仕事をしてくれるわけですね。スリープロの仕事の現場には、社員ではなくエージェントがいるわけで、これが一番重要というわけですね。
高野:
-
エージェントの方々は当社にとって最も重要であることは当然です。(もし、エージェントがいなければ)牛肉のない吉野家と同じようなものです(笑)。
佐久間:
エージェントの方々は、どうやってスリープロに登録されるんですか?
高野:
-
基本的にインターネットを通じて募集しています。インターネット、パソコンを使う仕事ですから、当然ながら日常的にネットを利用している方を募集する、そ してネットを使えるというフィルタリングをかけるわけです。創業当初はインターネットよりもパソコン通信が中心でした。パソコン通信上で怪しげなパソコン アルバイトを募集していた犯人は、私どもです。いまだに「あ~~あったあった怪しい募集」とか言って頂けるマニアな方もおられます(笑)。当時はフィルタ リングというより、資金のない我々にはそれしかツールが無かったというのが実状でした。
佐久間:
パソコンを使える人は、パソコンを使える場所で募集するわけですね。
でも、登録しただけじゃ、接客マナーとかスリープロのエージェントに求められる知識を十分に持っているとは限りませんよね。高野:
-
そうですね。そこは格好よく言えばアメリカの大学式で、入る(登録する)のは簡単でも、実際に仕事に就いて頂いたり、お金を得て頂くにはハードルがあります。
まず、スキル診断は当然行ないますし、業務に就いて頂く前には必ず実際にお会いして様々な確認をさせて頂き、業務が終われば報告書を書いて頂き、顧客にも モニタリングや満足度の確認を行ないます。その上で全てがきちんと終わった方のみに報酬をお支払する仕組みです。
また、どの仕事を依頼するかを会社が決めるのではなく、各個人がエントリーする仕組みですから、自分で自信のない仕事にはエントリーしない仕組みになっています。 佐久間:
誰々さん、これをやってください……ではなく、これをやれる人いますか?……というパターンなんですね。そのあたりは、また次回に詳しくお聞きしたいと思います。