スリープロ株式会社代表取締役社長・高野 研さんとの対談集
第3回「スリープロの基幹システムは、いかに生まれたか」
佐久間:
今回は、スリープロの特徴の1つである基幹システムについて聞かせてください。
スリープロが受注する1件1件の仕事の単価が人材派遣などよりも小さい場合が多いため、マッチングのコストを節減する必要があるということで、開発されたのが、御社のもう1つの特徴である基幹システムなんですね。どういうシステムなんでしょうか。高野:
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これは、パソコンショップその他のクライアントから仕事の依頼があった段階、すなわち受注の段階で、仕事の内容をシステムに入力し、そこからエージェント のアサイン、進捗管理、業務完了の入力、エージェントへの報酬支払いなどを業務をトータルに管理するシステムです。これがあるおかげで、今では1日千件で も2千件でもオーダーをこなせるんです。
ちなみに創業したすぐの頃は、まるで昔の証券会社のように、紙にクリップを付けて飛ばしたり、壁に貼ったりして凄まじい書類の山でした。 佐久間:
なるほど、町の小さなパソコンサポート屋さんから脱皮する上で、このシステムの構築が不可欠だったんですね。
高野:
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はい、当初は、1日に何十件、何百件という仕事が来たときに手作業と電話ではミスが起きてしまうため、システム上で管理するための業務進捗管理システムと して開発されました。しかし、今では、業務の進捗管理だけでなく、売上計上資料など経営管理資料の出力や請求書発行などの現場の業務完了後の営業管理、経 理管理システムとしての機能も織り込まれたバージョンアップがなされています。
ただし、やっぱり我々ベンチャーはお金が無いですから、最初から大きな資金を投下して、大きなシステムを開発するのではなく、会社の事業ドメイン、規模、 顧客の求めるレベルに併せて随時、改良を加えてバージョンアップを繰り返しているのが特長なんです。システムも会社と共に成長しているのです。 佐久間:
1人ないし数人で経営されている街のパソコンスクール、パソコンサポート屋さんというのは今でも乱立していますが、エージェントによる業務負荷変動への対 応、基幹システムによるシステム管理という大量処理を可能にする戦略というのがあったから、株式公開にまで行きつけたんだと思いますね。
で、そういう構想というか戦略というのは、最初から考えられていたんでしょうか。そのあたりを次回からお聞きしたいと思います。