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便利な資料室談話集

便利な資料室

スリープロ株式会社代表取締役社長・高野 研さんとの対談集

第6回「日本のエンジェル」

佐久間:

さて、ドリーム奨励賞を受賞して、その記事を読まれて高野さんに会いたいと言ってきて、うちに休眠している会社があるから、それを使ってみないか? と言 われたのが、エンジェルとしてスリープロの株主に名を連ねている竹中さん。エンジェルが投資して、無事に仲違いもせず、かつ、上場までたどり着くというの は珍しい例ですよね。

高野:

恐らく、日本ではかなり珍しい事例じゃないかと思います。当初、社長ではなく専務からはじめて、ある時期から社長として務めることで、社長見習期間があったことや、良い意味での相談役、お目付役がいたことは、経験の無い僕にとってはとても大きかったですね。
自分で言うのも何ですが日本の今後のベンチャー育成のモデルになれば良いなと思っています。シニアの金融資産と経験を活かしながら、元気な学生パワーを使う。誰もが思い付きそうですが意外と実際に実行しているケースは少ないようです。

佐久間:

大学生みたいな若者が集まってワイワイとやっているだけの会社じゃない、という信用力みたいな意味もあったんでしょうか。ちなみに最初の頃は、竹中さんはどれくらいの時間をスリープロに割かれていたんですか?

高野:

どうでしょう、時間に換算すれば週に1日程度でしょうか。何かトラブルになったら謝りに行って貰ったり、資金の手当てをやって貰ったり。
時間というより精神的な負担をかなり背負って頂いたんじゃないかなあと今では思っています。

佐久間:

一般的に企業家は、お金だけ出してもらって口を出さない株主を望んじゃうわけですが、ま、それは無理だし、そういうお金の出し方をすべきじゃないと思うので、ちゃんと口を出すエンジェルというものについて、高野さんはどんな理想像をお持ちでしょうか。

高野:

非常に難しいですね。エンジェルだけじゃなく、ベンチャーキャピタルもそうですが、正直言って全てのアドバイスが良かったかと言われれば、無視して良かっ た意見やアドバイス、聞きたくない言葉も沢山ありました。が、口を出さずに潰れるくらいなら、出して貰った方が良い気もします。
上場した今、正に感じることですが、上場株に投資する投資家は同床異夢ですが、未上場株に投資する投資家と投資される社長は、同床同夢でなければ上手く行かないという事でしょうね。抽象的ですが……。

佐久間:

同床同夢であるためには業界を知っている方でないと困るわけですね。
その点、竹中さんって、かなり先進的なパソコンユーザーだったんでしょうか。「そういうサービス俺もほしいと思っていたんだ」みたいな話をされたとか。

高野:

そうですね、比較的新しいもの好きの当社エージェントの素質は持っていると言えるのではないでしょうか(笑)。今でも携帯電話やカーナビなど御年齢のわりには比較的、新製品を使いこなしておられるようなので……。

佐久間:

で、世間を見て、そういう風に機能できているエンジェルって、どれだけいらっしゃるのでしょうか。アメリカみたいな億万長者がいる国は良いとして、日本くらいの資本の蓄積の中でエンジェルに機能を期待するというのは難しいように思うんですよね。

高野:

自分がそうだったからというのもありますが、僕は、シニアの金融資産と経験を活かしながら、元気な若手のパワーを使うのは鉄則だと思います。
政府が率先して支援制度を進めるべきだと思います。これはお金という面の投資だけでなく、雇用の面でも同じ事が言えると思います。
もっともっと中高年の知恵と経験を活用し、若手のパワーを有効に使わなければ意味が無い。中高年が体力使っても生産性は低いし、経験浅い若手に新しい試みばかりやっても上手く行く確率は低いですよね。
敢えて言うなら、そういう今の日本の社会そのものに少しジレンマを覚えます。表面的なベンチャー支援やエンジェル税制ではなく、そういう意味でのリスクマネーの誘導や、そういう意味での雇用対策を練って欲しいなあと個人的には思っていたりしますね。

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