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便利な資料室談話集

便利な資料室

スリープロ株式会社代表取締役社長・高野 研さんとの対談集

第7回「学生ベンチャーのパワー」

佐久間:

その頃(※)、高野さんは、ビジネス創造フォーラムにいらして、大活躍。学生ベンチャー会議室まで作っちゃうわけですが。

※高野氏が、京都市ベンチャービジネスクラブ主催の起業アイデアコンテストでドリーム奨励賞を受賞し、起業した頃。

高野:

そうですね。あの頃は若いだけ、時間があるだけ、興味本位だけが取り柄でした。大学教授から官僚、ベンチャーキャピタリストから怪しいコンサルタントま で、様々な人達と議論したり、雑誌で見るベンチャー社長と台頭に話せる環境が楽しかったですね。猫も杓子もアイドルデビューする芸能界みたいな感じで (笑)、誰でもベンチャーデビューできそうな感じがしていました。

佐久間:

あの頃の高野さんは、月曜火曜が東京、水曜から名古屋、金曜から神戸
……というのを繰り返していたり、すごいパワーでしたよね。若いからできるというか。別の学生ベンチャーでも4人で大阪へ出張に行くに当たり、4人で車に 同乗、夜中に高速を走って4人分の新幹線料金を浮かせるとか、若くないとできないようなことしてました。熟年ベンチャーとはランニングコスト違うよ なぁ……と(^_^)。

高野:

確かに(笑)今とは価値観が違ったんですね、やっぱり学生ですから。
当時はイチにもニにも時間が余っていましたから、全てを自分の体力と時間で誤魔化していた(カバーしていた)んだと思います。最初は名刺も封筒もチラシも 全て手作りでした。打合せも10時(もちろん夜)や11時は当たり前、日付変わった時間からファミレスにゾロゾロと集合みたいなこともありました。恐らく 寝てる時間以外はほぼ仕事に費やしたんじゃないでしょうか。
今でもあの頃、会社に寝泊まりしていたソファーベットは伝説として語り継がれています(笑)。今でこそ実物は無いですが……。
けれど、それこそが最もベンチャーらしい財産だし、失うものが無い強みだったんでは無いでしょうかね。

佐久間:

ほかに、あの頃だからできた……というエピソードは、ありますでしょうか?

高野:

良く新入社員に話しているのですが、何も知らない方が強いという事もあると思います。一般論で言えば、何も知らない方が先入観が無く色々と教わることがあ るという事なんですが、まあ僕の場合はそれを実体験をしたわけでして、良くも悪くも良い経験をしたなあと今の自分の環境だからこそ思ってしまいます。
一番初期の創業期の話ですがまだ、会社になる前、個人事業でビジネスをスタートしたときのことでした。僕のことを評価してくれた方が、松下電器の関連会社を紹介してくださって、商売を一緒にやれば良いと奨めてくれました。
僕としては非常に嬉しくて、色々なビジネスの話をしたものの、何せ学生一人の身です、先立つものも無い。何も知らない無謀な僕は、何と天下の松下電器に向 かって“お金を前金でくれ”と豪語したのです。いまだからこそ無謀と思うものの当時は単に、良い仕事をしたくとも金が無ければ出来ないのだから、先に払っ て貰うのは当然、電車に乗るにも先に切符を買うでしょう、という程度の感覚でした。
いま、この境遇で自分がそれを全く新規の取引先に言えるかというと、幸か不幸かビジネスの商習慣を知ってしまった今、もしかしたら意外とすんなり可能であることであっても回避して、支払いは後からで良いですよなんて言ってしまっていたりすると思います。

佐久間:

確かに知らないから言えるという強味ってありますね。言われた松下電器の人の顔を見てみたかったですね。

高野:

ちなみに、これは半分はカンサイ人的なネタとして使っているのですが、人を使ってビジネスをやらねばイカンと痛感したのも個人で始めた初期の頃でした。名 刺を作るにもお金が無くて自分でプリントしていたのですが、一番最初に渡す名刺は、出来れば僕の地元の起業家で、当時凄いなあと思っていたパソナの南部さ んに渡したいなあと思っていました。
たまたまイベントに行って南部さんに会える機会があったんです、そして渡した名刺を見て、南部さんが、「木のプロって何をやるビジネス?」って聞いたので す。一瞬、意味が分からず、「いやいや、パソコンを教えるビジネスです」とかいうチグハグな返事をしつつ自分の名刺を見たら「ThreePro」と作った ハズの名刺が「TreePro」と書いてある始末……。顔から火が出そうなくらい恥ずかしい初対面でした(笑)。
それから名刺は絶対自分で作るのは辞めようと思いました。まあこうやって失敗しつつ笑われ、クヤシいと思いつつも、上手く失笑を買っていた周囲にも手伝っ て頂きつつ、大きな渦に巻き込んで行くことが出来た(良い意味で色々な人に甘えて育てて頂いた?)ことも当時だから出来たのかもしれません。
誰にでも頭を下げて、お願いをして、手伝ってもらって……当たり前のことですが、意外と社会に一度出てしまうと出来そうなことでもプライドや常識が邪魔して出来ないことって多いですよね。最近はそんな常識を良い意味で撃ち破らねばいけないなあと思っています。

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