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便利な資料室談話集

便利な資料室

スリープロ株式会社代表取締役社長・高野 研さんとの対談集

第5回「スリープロの原点」

佐久間:

さて、前回の話に出たキーマンアットニフティのゲストコラムに書かれた『感謝』の原体験を探るという観点で、高野さんの経歴の最初に出てくるのが95年の 京都市ベンチャークラブが主催した起業家コンテストでドリーム奨励賞を受賞したという話があります。このあたりのお話もお聞きしたいんですが、ここでの事 業プランというのは、どの程度今の事業の骨格を形成していたんでしょうか。

高野:

基本的には今の事業そのものです。ただし学生の稚拙なアイディアと競争社会で勝ち抜く本質的なビジネスモデルは少し異なっています。しかし、最初の形(アイディア)に拘らず、マーケットにあわせて変化させたことがビジネス成立の大きなキーポイントであったと思います。

佐久間:

そうすると、社員でポチポチとやるのではなく、社外に全国規模で登録エージェントを置き、点ではなく面でのサポート業務を提供するという現在のビジネスモデルがすでに入っていたんですか?

高野:

そうですね、当時は点とか面といった難しい概念はありませんでしたが、それでも自らパソコンを教えに行って幾らもらってという考えではなく、そのビジネスを展開することによって、マーケットに新しいサービスをひろげることが出来るという考えではあったと思います。

佐久間:

米倉誠一郎さんの『ベンチャー万歳』というBS放送の番組でもこのコンテストでの事業プランについて質問がありましたね。そこでは、パソコンの設置であれば、パソコンの購入者ではなく、販売店からお金をもらうというBtoBtoCという売上モデルについて米倉さんは絶賛されていました。
この仕組みは、応募した事業プランに入っていたのか?と聞かれて、高野さんは、当時は、一番大事なお金に考えが行かず、やっているうちに発見した、という 回答をされていました。そういう意味では、事業プランというのは、徹底的に緻密なものである必要は無いのかもしれませんね。
ちなみにあの頃って、今ほどには、『事業プランの書き方』とか『事業計画書の作り方』なんて本は、なかったですよね。

高野:

無かったです。数少ない本を見たり勝手に想像したりして作っていました。今考えたら怖ろしい話しですが、何も知らないから書けたという気もします(笑)

佐久間:

そうかもしれません。と同時に、その頃は雛形に頼らない気合一発の起業家がいらっしゃいましたよね。今のほうが環境が良いだけ、きれいな事業計画書の形式的なテクニックの範疇から出られない方もいらっしゃるかもしれません。
ちなみに、もし、高野さんがビジネスプランを審査する側に回ったら、評価の観点をどういう部分に置かれますでしょうか?

高野:

う~ん、難しいですね。自分がいじめられた事をネチネチ聞きそうな気もしますし(笑)やっぱりベンチャーは気合と根性だ、という気も半分はしています(笑)
実は今は会社として投資をすることもありますし、起業家コンテストの審査員を引き受けるケースもありますが、大事にしているのは、どちらが大事とかではな く、そのバランス感かなとは思っています。企画書だけ書けたら良いということでも無いと思いますし、汚い企画でもそれなりの事業性を本人のプレゼンから感 じとる事もあります。事業は有言実行ですから単に利益だけ出せば良いというものでも無いと思います。
まあ総じて思うのは、ベンチャー的発想は、人のやらないこと、反対されること、ネガティブな環境をいかに自分の力で逆にポジティブな環境に変化させること が出来るか、というのが大きいと思います。企画がそういう企画であることもあるだろうし、社長の力量でそうさせることも出来ると思います。
とにかく、人のやらないことだけど、ひょっとするとそこから大きな芽が・・・と万に一人が思うそれを思うだけではなく、実際にやろうとし、そしてやっての けられるような”何か”をお持ちかどうか、を見たいと思いますし、自分が審査されたときも、それを見て頂いて、”お前に懸けてやろう”と思って頂いた方に 投資頂いたんじゃないかなあと思っています。
でも、これってベンチャーとか何とかじゃなく、社会人としての資質に近いものを感じていたりします。良くマニュアル本に"商品を売る前に自分を売り込め”とか書いてありますよね(笑)

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