ベンチャー企業の経営管理

【司会】　大変ありがとうございました。これだけベンチャー企業の裏の面、混乱している面を経験された方も少ないかと思いますし、なおかつ処方箋もかなりお持ちのようで、いろいろ参考になるお話をありがとうございました。ご質問どなたか是非お願いします。

■質問
投資の仕事をしておりまして、まさに今いろいろご指摘いただいた点がベンチャー企業に一番問題点となるケースが非常に多いんですけど、じゃあなかなか実際 に誰にやってもらうのかと、時間的な面もあるしチャージの面でなかなかベンチャー企業を変え切れないということだと思うんですが、いくつか優秀な管理者を 使うとして、その結果、会社が元の成長力を取り戻すという例でですね、どんなバックヤードの方が成功を生み出すのかというのを伺いたいんです。監査法人の 方が辛口のことを言うというのは、監査法人だからある意味社長が聞く面があって、内部でそれをやっていると、「お前もうどこか行け」ということにもなりか ねない。じゃあ大企業にいて経理をずっとやっていた方ができるかというと、やっぱりちょっとベンチャー企業の成長のスピードとか柔軟性というものが逆に損 なわれる面があり、その辺がいつもちょっと悩ましいところなので、何かいい例があったら教えていただきたいんですが。

■佐久間
過去の事例を見ていますと、オーナー系の中堅企業に長いこと勤められた経理マン・総務マンというあたりが一つのプロフィールなのかなと思います。というの は、こういう言い方をすると怒られるかもしれませんが、オーナーあしらいの上手さというのは、経験しないと駄目なんですね。社長から怒鳴られても何して も、怒られるのが上手な人というのはいるんです。社長が社員に対して断固言いたいことを社員全員に言えないからと、特定の管理者に他の従業員の見えるとこ ろでお前こうじゃないかと言った時に、黙って社長の意を察して耐えてくれるみたいな、そういう大人の面を備えたという意味合いで言っているんですが、オー ナーあしらいを心得ている人、かつ中堅企業ともなればこのくらいになっていなければいけないというのを知っているという意味では、中堅企業以上を体験して いないといけないだろうという点で、過去、公開へ向けて伸びてきた会社という形で成長プロセスを持っていた中堅企業で、かつオーナー会社にいた人、という のが一つの成功する優秀な管理職のプロフィールかなというふうに思っております。
あとは、性格でしょう。陰湿な感じの人ではまずいので、根は明るいけれどもやる実務は緻密だということ、あとはもう個人差になってしまいます。場合によっ ては、一緒に社長と面接してみないとなんともわからないですね。履歴書とすれば今みたいな話でしょう、ということになります。