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便利な資料室談話集

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勉強会「ベンチャーへの転職」の抄録

【第10回】 質疑応答5「ベンチャー志望者の傾向と、今感じている危機感」

質問者:

転職する人でベンチャーを希望して来る人は、どういうもくろみで来る人が多いんですか。

辻口:

本当にいろいろでして、やっぱり多いのは誤解していて、これからはベンチャーの時代だと日経新聞に書いてあって。「日経よく読む」人ですね(笑)。そういう人で、上場したソフトバンクは受付の子でも1億円持っているとか、ストックオプションでもうけたらしいとか、そういうので誤解してくる人はやっぱり多いですね。
あとは大企業出身の方で、今更大企業に行きたくもないし、とはいえ、昔からのおやじがやっているような中小企業に行くのもどうかなということで、だったら若い経営者がやっているところでそういう人を盛り立てていくような楽しい仕事がしたいなという方はいらっしゃいますね。

求人企業にも「社長、今後どうしたいんですか?」と聞くんですが、転職希望者の方にも必ず今後どうしたいのかという話を聞くんです。結構みんな勝手なこと言うんです。結局の所、やりたいこととやれることは違うんだという話になるんですが、ここでやりたいことをやるとしたら、あなたの年収はこんなものになっちゃいますよとか、そういう話をやっていって最終的に、こんな線ですかねというところに持っていきます。求めるものはホント人それぞれですけれど、1番多いのはやっぱり、やりがいというか、やったなという達成感を味わいたいという方が多いですね。

質問者:

逆にいえばもとのところでやりがいがないということですよね。

辻口:

難しいところで、やっぱり相談にいらっしゃる方の結構な部分は何らかの挫折で来る場合の方が多いには多いですね。ただ、最近多いのは今のところでもそこそこやりがいはあるんだけれどという人が結構多いです。すなわちやっぱりこれは日経の影響かどうかわからないんですけどけれど、30歳が限界、35歳が限界、45歳が限界とか、皆さんがおっしゃるのが、年齢的にもそろそろ限界かと思ってやってくる。それこそ27歳の人も言えば45歳の人も言います。50歳の人も言うんですけれども(笑)。ちょっと年齢を意識し過ぎてるんじゃないかと思われる方も結構いらっしゃいます。

今私がすごく危機感を持っているのは、大学を出て就職しない人がいっぱいいますよね。大学を出て1番最初に勤めた会社が最高学府だと私は言っているんです。学校を出て、その後勤めた会社が最高学府。そこである程度のことを勉強して、例えば27~28歳ぐらいになって1回考える、このままいていいかな。うーん、いや、このままいたいなと思えばそのままいればいい。どうかなと考えて1回飛び出してみたいなと思ったらそのときはうちに来ればいい。また10年後とか15年後とかその節目の中で考えていってそのままいたければそれが1番いいんだからという話と、あと、やっぱりやりたいと思えばどんと出ればいい。

そうして自分の意思で自分の進路を選んできた人というのは多分格好いいと思うんです。私は若者が就職しない事に危機意識を持っていますが、若者ばかりが悪いとは思っていません。むしろ、若者から見て「いや、おれさ、こういう仕事なんかしたくないんだよ。でも仕方がないんだよな」という人を見ていて、若い人が自分もああなりたいとは思わないですよね。こういう大人達を見ていたら就職したいと思わないと思うんです。やっぱり節目節目で自分のことを考えて、こうしたい、だからやる。自分の意思で生きている。それを見てそれより後の人たちは、あ、おれもやってみようという感じになると思うんです。

就職ばかりが必ずしもいいとは思わないんですけれども、働かないでモラトリアムを続けているというのはちょっと危機的だと思うんです。例えば彼らが30歳になった、35歳になった、45歳になったときにどうしようもないです。パラサイトで親に寄生しているのは結構いるんです。あれはちょっといいかげん日本の活力をそぐなと非常に。

モラトリアムをしていて、28歳になってやりたいことが見つかって、そういう業種の会社に入ろうと思っても入れない。大学出てから社会人を6年やったうえで「この仕事をやりたい」という人とアルバイトくらいしかしていないで「この仕事をやりたい」という人が面接に来たら会社は絶対に社会人経験者を取ります。結局、大学を出て就職しないとずっと社会人としてのスキルを身につけられないんです。そして、長期的には日本のビジネスマンの質を下げていくことになる。

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