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便利な資料室談話集

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勉強会「ベンチャーへの転職」の抄録

【第3回】 「他社がやらないことをやろう」

辻口:

育ってきた経緯はそんな感じなんですけれども、やっていることはもともとベンチャー・キャピタルの子会社です。ベンチャー・キャピタルでお金は出してもな かなか会社が育たない。だから人を紹介してその会社を育成するんだ。聞いてみるとすごくきれいですよね。1991年に誘われたときに自分もしっくりきまし て。しかも当時のNIFは投資先が300社あるということはお客さんが300社候補としてあるわけです。あとは転職希望者の方を集めればそれでビジネスに なるじゃない。いい話だなと思ったんです。

ところが、当時のベンチャー・キャピタルというのが、本来証券会社自体が会社に出資、投資したいんだけれども証券会社は投資できないですから、そのかわり にベンチャー・キャピタル子会社が投資させていただくと。だから株を持たせていただいているという感じなんです。ですから、アポとって「NIFで今度人材 紹介を始めるので挨拶に行きたいんですけれど」と言ったら、「NIFって何よ。え、大和証券ね。で、何よ(笑)。」これじゃあ、新規開拓を自分でやるしか ないなと思い始めて、自分でダボハゼのようにやっていって、登録者も集め、結局ゼロから立上げをやっちゃったんです。

そうした中で私が入社したときに26歳で一番若くて、上に結構な立派な人が天下る。そういう人が当時の年収で1700~1800万円取っていたんです、儲 かってないのに。その下に部長に、顧問に。総務部長がまた60歳でいるんです。重たいですよね。これじゃあなかなか儲からないんですよね。

そのうちにまあなんとか食えるような形にはなってきたんですが、天下り体質である限り、どうしても赤字基調が続いてしまう。それと、人材紹介会社というの は、債務超過になると免許の更新ができないんです。そのため、結果的に何度増資をも繰返す事になり、最終的に12人の会社でありながら、1億5500万円 の資本金。それはもう、本当に赤字分を増資で補てんするという単純な図式でやっていっちゃったんです。

でも、そういう境遇の中でも何とか自分達で食っていかにゃいかんということで、歯を食いしばってやっていました。ですから、当初はとにかく「人が欲しい」 と言ってくださっているところはどこでも行きます。しかし、やっぱりなかなか儲からない。で、どうしたらいいのかなということを考え始めて、その当時勉強 したのがランチェスター戦略。これは弱者がいかに強者に勝つかという理論なんです。
難しい話は置いておきまして、要は、弱者というのは、一騎打ち、一騎戦でやっていくべきだと。多対多、全体対全体でやると弱者は負けるので、1対1でやっ ていけ、局地戦、ゲリラ戦でやれと。だから全国展開ではなく地域密着でやる。今日は新潟だ、明日は福岡だということをやっていたのではだめだと。東京駅か ら1時間圏内だと。何で東京駅から1時間圏内なんですかと聞かれるんですけれども、まずそれが発端だったんです。

それと、ターゲットをどこに置くか。もともとベンチャー・キャピタルの子会社だからベンチャーをターゲットにしたというのもあったんですが、リクルートが ベンチャーに弱いというのも理由なんです。私はリクルートというところにいて、リクルートのブランドの強さを嫌というほど知っております。人は、転職を考 えたらまずリクルートに行くんです、相談しに。会社も採用のことを考えたらまずリクルートに行くんです。情報はやっぱりリクルートに集まるんです。「大和 証券グループです」と言っても、得体が知れない奴ではないということはわかって貰えるけど、ただそれだけなんですね。
これはリクルートとぶつかるところでビジネスをすべきじゃないなと思ったんです。そうするとどうしてもベンチャー専門になる。リクルートの強い大手、外資 系企業は我々人材紹介業からすると非常にオイシイ。例えば、当時の大手生保は35歳で年収1700~1800万円払っているんです。これなら、やはりみん な応募しますよね。それに採用するグロスがデカイ。年間30人を中途採用する会社があってそのうちの15名をリクルートエイブリクックが決めている。すご いですよね。あと外資系も給料が高い。我々は手数料を年収の30%としていただきますから、決まった方の年収が高ければ高いほどおいしいわけです(笑)。 ですから外資系専門に人材を紹介する会社も多いんです。

ということは、大手・外資系をターゲットにしては駄目だなと。リクルートや他の紹介会社が相手にしないような中小企業を紹介しようと思って、うちは中小企 業、ベンチャー企業専門の紹介会社なんですということを積極的にアピールし始めたのが1994~95年なんです。

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