(1) 独立の前に
事業計画を作ろう
銀行にせよ、政府系金融機関にせよ、お金を借りるには、決算書などで返済能力の有無を判断してもらって、それに応じて融資を受けます。ところが、新規開業の場合、過去の実績がありませんので、事業展開の見込みを説明して資金を借りることになります。そこで必要なのが、事業計画です。
国民金融公庫では、以下のような質問事項を網羅した1枚の事業計画書のフォームを用意しており、申請時に提出するようになっています。
- 業種
- 取扱製品
- 開業されるのは、どのような目的、動機からですか。
- この事業の経験はありますか。(お勤め先、経験年数、お持ちの資格など)
- セールスポイントはなんですか。
- 必要な資金
- 店舗・向上など
- 機械、備品、車両など
- 商品仕入、経費支払資金などの運転資金
- この資金の調達の方法
- 国民金融公庫からの借入
- 自己資金
- その他からの借入
- 取引先
- 販売先(会社名、取引のきっかけ)
- 仕入先(会社名、取引のきっかけ)
- 開業当初と軌道に乗った後の予想損益計算書とそれぞれの計算根拠
- 売上高
- 売上原価
- 経費(人件費、家賃、支払利息、その他)
- 差引利益
ただし、これらのうち、予想損益計算書は、どのように作るのでしょうか。鉛筆舐め舐め・・・、これでは駄目です。他人からお金を借りようというのに、不真面目であるだけでなく、根拠がない予想では、実際にビジネスを始めた際に予想と違った場合の分析もできません。
飲食店なら、予想の客数と客単価を予想したうえで、一人当たり売上高×予想客数で予想売上高を出してみましょう。実際にお店を始め てから、予想の売上に到達しない場合に、到達しなかったのは、客数が見込み違いだったのか、客単価が違っていたからなのかを検討できます。客数が少なけれ ば、もっと、宣伝をしたり、来たお客さんに何度も利用してもらえるような対策を打つべきですし、客単価が違っていたなら、メニューの改定やお薦めの料理が 目立つようなチラシを貼るといった対策になります。
このための作成ツールとして、事業計画書テンプレートを用意してみました。商品、サービスの原価率や代金回収期間、金利水準などを 決定した上で、売上見込みを入力し、その売上を獲得するための設備投資、人件費などを入力すると必要な資金額が算出されますので、必要な資金調達方法を決 定すると、事業計画書として完成するという仕組みです。ぜひ、一度ご利用ください。