佐久間税務会計事務所

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ベンチャー企業の経営管理

東京総研株式会社主催
「第20回 未公開株式研究会 テーマ:ベンチャー企業の経理の仕組み・作り方」講演録
U- 9 会社の業態の特殊性

極めて特殊な業界向けの本を作る会社です。例を挙げますと、被差別部落の住民名簿、あるいは明治以来の国会議員名鑑といった本があります。議員や議員周辺の業界の人たちは、飾りとして買うかなという感じで買ったり、あるいは被差別部落の住民名簿というのは、建設業界で一部買ってくれたりするわけです。その一部買ってくれる人にだけ売っているならいいのですが、押し込み販売をするんです。本を送りつけて、それにもう請求書が入っている。払ってくれないと押しかけるという電話を入れたりすると、気の弱い会社は払ってくれるんです。1冊2万円から3万円する本ですが払ってくれる。


中には国会議員の名鑑のように、統計的な資料あるいは歴史的な資料としての意味を持つものもありますので、1冊10万円で全国の都道府県県庁所在地にあるような図書館と、一部の研究機関が買うというポリシーで作っているならば、ニッチな資料での会社ということで面白いと思ったんですが、やはり押し込み販売方式というのが直らないんです。直そうと思っても、当然押し込み販売で請求書が来ても知らないよと頬かむりするのがまともな会社なんですが、せめて引取先負担の宅急便で商品を送り返してくれればいやでも返品伝票を切れますが、本はもらったまま、請求書は無視するという対応をされてしまうと、売掛金の回収がいつまでたってもできなくなります。


そういう形でするなら公開はできませんし、より良い経理体制ということでも、試用販売みたいに回収基準を使うべきですよと言ったんですが、そこに会計処理の変更をするだけで債務超過になってしまう、と言ってそこへのふんぎりもつかず、ニッチマーケティングで生きるまっとうな歴史的資料を作る会社という本屋さんになってしまう気もしなかったのでしょう。


この場合には社長が亡くなってしまい、その翌年私が退職し、その後どうなったかは私もフォローしていません。公開準備なら契約をやめるだけですが、その会社は商法監査だったため、監査契約は簡単には切れませんでした。

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