佐久間税務会計事務所

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勉強会「ベンチャーへの転職」の抄録

ビジネス創造フォーラムメールニュース 2002/8/30(VOL.48)〜2003/1/28(VOL.58)掲載
【第11回】(最終回) 質疑応答6「戦略的な採用は社長の仕事」
辻口: 話は変わって、ちょっと組織の話になるんですけれど、採用を人事がやるか、現場がやるか、どっちがいいと思いますか。

――現場でしょう。

――できる人事なら人事かな。

辻口: それが最高の答なんです。現場に採用を任せるとその現場の長とか採用担当責任者以上の人材は絶対入ってこない。基本的に使いやすい人が入ってくる。だから兵隊をとるという場合には現場に任せればいいけど、会社の戦略上必要な人材の採用は現場に任せられない。
入ってきたときは担当としてなんだけれど、ひょっとしたら将来は部長をやってもらうかもしれないという人を採る際に、現場の人に任せてしまうと現状に合う人しかとらないんです。

会社というのは、今はこの状熊だけれどひょっとしたら1年後こうなっているかもしれない、という先を見越した採用をしなければいけない場合があります。現場に採用を任していてはこうした採用はできません。幾ら経営陣が、こうだよ、うちはこういうことを考えているよと方向を示していても、そうした意向を踏まえてよりそっちに近い人材をとるというふうなところまで気を働かせてとる現場の人はまれです。そういうときには、やはり人事が必要なんです。人事が採用を担当するべきなんです。
人事というのは本来は経営者の意向を踏まえて現場とのすり合わせをして、例えば我々みたいな人材のバンクなり紹介会社なりエージェントに頼むというのが美しいんですが、ところがこういうことができる人事が本当にいないんです。これができる人がいなくて、人事というと何かテクニカルなことばかり勉強したり、あるいは作業屋さんになっちゃっている人がすごく多い。

そうじゃなくて、実際にこういう意向を考えながらやる人はいないので結果的に私はベンチャーの社長にどう言っているか。兵隊は現場に任せなさい。で、戦略的な採用は社長の仕事ですよ。今後のことを考えて採用する場合にはやっぱり社長が出てこないといけない。社長は全部採用のことをゼロからやるというのは面倒くさいから窓口は必要ですと。窓口は要るんですけれども本当にここ、ここというところは社長が出ていきなさい。
質問者: その人事がいる会社って、30人ぐらいの会社なんですか。もうちょっとスケールが違いますか。
辻口: もっと大きくても、大体70〜80人、感覚的になんですけれど70〜80人から100人ぐらいまでのところはやっぱりそうですね。どんなに大きくなっても、社長から採用の仕事というのは永遠になくならないんですけれども、組織デザインのことを考えながら戦略のことも考えて人をとるという仕事は70〜80人ぐらいまでです。

もう1つ、私がある程度大きくなった会社の社長に言っているのは、第1次面接をしなさいということ。何でかというと70〜80人から100人ぐらいの組織になって、人事というものが結構ちゃんと機能として出来あがってくると、社長面接の前に「君は来るね、辞退しないね、大丈夫ね。じゃ、うちの社長と会ってください。」とやったうえで社長が面接する。何で人事はそんなことを言うかというと、社長と面接をした後その人が辞退しちゃうと、人事としては体面がないと考えるわけです。何だ、あいつ、おれに会って辞退するのかという話になっちゃうんです。だから、大体人事という組織がそれなりに機能し始めた後、社長面接をして辞退されるという経験を社長がしなくなってくるんです。すると威張るんです、「うちはいい会社だ。応募をしてくる人はみんな入りたいと思ってるはずだ」と。

私が採用のコンサルティングで入っていく際、ある程度の規模の会社の場合、いつも通り「社長は採用についてどうお考えですか?」とやると、「いや、人事がいるから人事に任している」「それじゃだめですね」と言って、「第1次面接をしてみませんか?」と提案します。「私が紹介する人は、会って失敗したなという人はそんなに紹介しないから、とりあえず1次面接をしなさいよ」って。ところが、ばんばん辞退されるんです(笑)。そこで、自分の会社のことをよく考えてください、とやるわけです。外からどう見られているか。うちは辞退されると、辞退された理由をフィードバックします。彼はこういう点で御社のところで不満を感じて辞退した。悩み始めるんです、社長が。だから1次面接をやるということが大事なんです。ということをやると……、
――その会社の人事に嫌われる。
辻口: そう、私はある程度の規模の会社の人事にはすごく嫌われます。でも、経営者がある程度の規模になっても1次面接をするべきだというのは私は大変強い思いを持っていて、全部が全部やれというのは物理的に無理ですけれども、ある程度の人に関しては必ず1次面接を社長はやりなさいというふうに言っています。
司会: 話は尽きないんですが、お時間となりました。
辻口さん、ありがとうございました。

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