佐久間税務会計事務所

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勉強会「ベンチャーへの転職」の抄録

ビジネス創造フォーラムメールニュース 2002/8/30(VOL.48)〜2003/1/28(VOL.58)掲載
【第7回】 質疑応答2「15回会ってもうまくいかなかった話」
質問者: それから、せっかくなので生々しいお話が聞けるとうれしいんですが。
辻口: 生々しいかどうかわからないんですけれど、もう随分昔になりますが、あるバイオベンチャーから営業役員候補の採用について相談をいただきました。社長は技術畑の方で、営業力が足りないので、そこを補強したいという依頼です。ただこの社長はオーナーではなくて、大株主が別にいたんです。そこで私が探してきたのは、当時ある大手商社の食品部長で50歳ぐらいの方でした。何度か食事もして合計15回社長とお引き合わせをして、株主にも会ってもらってオーケーになりました。その社長の技術力とその営業担当役員の営業力、この2つがかみ合えばどんなにいいかという思いで見ていたら、入った3日後ぐらいから、お互いに何かあいつ、気に入らないという話になって。

「えぇ?そんなぁ。15回も会って、それに何回飯食ったと思っているんですか」。お互いに体裁ばかり考えて本音を言わない人たちだったんでしょうね。3日目ぐらいからそんな感じで、1週間目ぐらいからかなり辛らつなことをお互いに言い出して、半月ぐらいたったらもう会社が割れてきちゃったんです。そこで問題を複雑にしたのは社長がオーナーではなく、主要株主が別にいるということ。株主からすると私が紹介した方は大手商社の食品部長出身ですし、しかも非常に弁が立ちますから、これは技術偏重の社長よりも営業の方をかわいがった方がIPO(株式公開)は近いんじゃないかと思ったんでしょうね。そうすると社長としては自分の立場が危ういわけで、反撃に出たわけです。そうすると社内が、30人ぐらいしかいない会社だったんですけれど2つに割れてきちゃったんです。社長派と私が紹介した役員派と。結果として会社として機能しなくなりまして、しばらくして清算という形になったわけです。

生々しいというとそこの秘書の方は女性だったんですが、結婚してらして「辻口さん、この会社ってどうなるんでしょうか?」「いや、どうなるんでしょうかと言われても……大変ですよね」。「私この会社にお金を投資してるんです。株持っている。この会社がつぶれたら私は離婚をしなければいけないかもしれない」。「うーん……」ですよね。何と言ったらいいかわからないですから。

結局その社長と役員は裁判をする、しないというところまで行きまして、とにかく裁判なんかしたってしようがないじゃないですかと私も両者をなだめて廻って、史上最大のガス抜き作戦を実行(笑)。結局その会社は清算になっちゃったから、実は当社にも紹介手数料は入らなかったんです。二人とも私に「辻口さんところは悪いわけじゃない」。そりゃそうですね。15回引き合わせてオーケーと言っている人たちだから。

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